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2012年更新
カテゴリ
バイオテクノロジー、環境・エネルギー、農林水産(含食品)、医学・薬学
キーワード
鯉の血液(赤血球)成分 システインプロテアーゼ 糖タンパク

一言アピール

オリゴ糖の機能解析など行います。


研究テーマ

  1. ●魚類の赤血球に関する生化学的研究
  2.  鮮度保持のために漁獲時に魚の脱血を行うことはよく知られているが、その理由や作用機序の解明は殆どなされていなかった。そこで種々の鮮度低下因子や生理活性物質が魚類の血液に存在すると考え、様々な生理学的な手法や酵素学的な手法を用いて生理機能の解明を行った。その結果、赤血球膜中に存在する糖タンパク質に結合する糖鎖に抗菌活性を検出した。この糖鎖は赤血球の外側にあって、血液中に病原菌が進入した際に赤血球膜から遊離して病原菌に吸着し、細菌を不活生化させると推測した。さらに、赤血球膜に結合するタンパク質分解酵素(システインプロテアーゼ)を見出した。それらが魚体の死後、赤血球膜から遊離して周囲の筋肉に作用して鮮度を低下させると推測した。
  3. ●魚肉筋肉中のシステインプロテアーゼの研究
  4.  魚肉は畜肉と異なり、死後硬直期間が短く、自己消化が速く進行する特徴がある。これは、魚肉筋肉中のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の働きによるものであるが、プロテアーゼは細胞中に何種類も存在しており、どの酵素が自己消化に関与するのかが明確ではなかった。そこで最も関与していると思われるシステインプロテアーゼを対象として、マサバの普通肉から種々のシステインプロテアーゼの単離・精製を行い、得られたそれぞれの精製標品にサバの筋原繊維成分を作用させることによって、自己消化に関与するプロテアーゼを特定した。さらに、プロテアーゼを包含している細胞内のリソゾームが魚体の死後徐々に崩壊してプロテアーゼが漏出し、細胞質へ移動して筋原繊維に作用する現象を、密度勾配法を用いた細胞分画によって検証を行った。
  5. ●水産医薬品の魚体内代謝に関する研究
  6.  近年、魚肉中の水産用医薬品の残留問題が関心を持たれる様になったのを受けて、種々の魚を用いた水産用医薬品の投与実験を行い、経時的に魚体から筋肉、肝臓、腎臓、胆汁および血清を採取し、HPLC等を用いて残留薬物の定量分析を行った。得られた分析結果から薬物速度論的解析を行い、医薬品の適切な投与計画を導き出すためのシュミレーションを作成した。これにより、効率的な給餌計画と実際的な休薬期間の設定が可能となった。今まで用いた魚種は、ニジマス、アマゴ、ブリおよびウナギ等であり、医薬品はオキシテトラサイクリン、ニフルスチレン酸ナトリウム、スルファモノメトキシン、ミロキサシン、オキソリン酸、ナリジクス酸およびフロルフェニコール等を対象とした。

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応用分野

●医療分野                        ●食品業界
●健康食品                        ●環境浄化(浄水)

主な保有技術

●オリゴ糖のNMR解析                   ●オリゴ糖のメチル化分析
●レクチンを用いた構造解析

特許

●特開2010-248075 コイ由来抗菌剤の製造方法及び抗菌処理装置
●特開2005-091730 抗菌性オリゴ糖、およびその製造方法

主な保有機器・装置

●糖分析・分取装置(パルスドECD検出器、HPLC)       ●遠心エバポレーター

関連ホームページ