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2012年更新
カテゴリ
農林水産(含食品)
キーワード
Cercospora属菌 菌類 同定・分類 植物病理 生物資源

一言アピール

糸状菌による植物病害の同定と診断を研究しています。また、それらの分類学的位置づけと学名の確定、植物寄生性糸状菌のスクリーニング源としての提供も可能と考えています。


研究テーマ

  1. ●Cercospora属とその関連属菌の分類学的研究
  2.  Cercospora属とその関連属菌は世界に数千種存在し、日本にも350種程が存在することが知られています。これらの菌類は植物の葉に主に寄生し、重要な植物寄生菌として認識されており、農林業の分野で褐斑病、赤枯病の名で多くの被害をもたらすことが知られています。 一方で、その分類学的位置づけは曖昧なところがあり、世界的な問題となっていました。私は日本産種の分類学的位置づけを確定し、その多様性を明らかにすると共に、国内で発生したこれら菌類による病害の同定と診断を国公設試験場の研究者と共同で実施することは勿論のこと、世界各国の研究者と連携しながら、多様性、種分化、分類同定基準の検討に関する研究を行っています。
  3. ●糸状菌の分類同定に関する研究
  4.  今日では植物寄生菌の分類同定を専門的に取り組む研究者が少なくなってきていることから、上記の菌類以外の分野に関しても、相談が多くなっています。専門外で同定が困難である場合には他の研究者を紹介しますが、可能な限り対応しています。このような事情から、日本の植物寄生菌の分類同定、多様性研究の基礎となる標本類の整備の重要性を認識しており、国内保存機関と連携しながらそれらの整備に努めています。また、これら植物寄生菌を含め菌類は重要な生物資源ですが、特許等申請する場合には学名で類別されますが、その規約改訂のため、専門家以外は変遷の把握が困難になっています。そのお手伝いは可能であると考えています。
  5. ●スクリーニング源としての植物寄生性糸状菌の探索
  6.  スクリーニング源として提供できる量は少ないですが、すでに1600系統程の菌株を整理、保有しています。希望の系統があれば、野外より新規に権利関係の無い株を、保有する単胞子分離技術による純化ののち、小ロットで多様な系統を提供可能であると考えています。

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主な保有技術

●植物寄生性糸状菌の分類同定

受賞

●第47回日本菌学会奨励賞(2003)

応用分野

●農林水産分野                      ●種苗業界
●生物源医薬農薬開発関係

主な保有機器・装置

●光学顕微鏡各種                     ●走査型電子顕微鏡

所属学会

●日本菌学会                       ●森林学会
●日本植物病理学会                    ●樹木医学会

審査委員など

●日本菌学会受賞者選考委員会委員

論文

●Crous PW, Braun U, Hunter GC, Wingfield MJ, Verkley GJM, Shin HD, Nakashima C, Groenewald JZ. Phylogenetic lineages in Pseudocercospora. Stud Mycol 75: 37-114 (2013)
●Seo MY, Matsuda Y, Nakashima C, Ito S. Taxonomic reevaluation of Raffaelea quercivora isolates collected from mass mortality of oak trees in Japan. Mycoscience 53:211-219 (2011)
●Nakashima C, Araki I, Kobayashi T. Addition and re-examination of Japanese species belonging to the genus Cercospora and allied genera. X: newly recorded species from Japan (5). Mycoscience 52:253-259 (2010)

著書

●共著. 現場で使える主要植物病原菌類解説-分類・同定から取り扱いまで- 植物病原菌類談話会 (2010)
●共著. 農業総覧 花卉病害虫診断防除編 農山漁村文化協会 (2009)
●共著. カラー版植物病原アトラス -目でみるウイルス・細菌・菌類の世界- ソフトサイエンス (2006)

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