研究テーマ
- ●ダイズの多収性に関する研究
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ダイズ栽培において安定的に多収穫を実現するため、栽培する品種と播種期や栽植様式、施肥量などの栽培条件の組み合わせをもとに、地域にあった最適栽培条件を検討している。
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●イネの環境保全型栽培法に関する研究
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減化学肥料、減化学農薬の低投入持続型稲作体系を確立することを目指している。具体的な取り組みとしては古紙マルチによる雑草防除やアイガモ農法などの効果を科学的に分析し、実用性の検討を行っている。
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●ダイズの草型に関する研究
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茎と枝が癒着して帯状になった帯化ダイズ、著しく草丈の低い矮性型ダイズ、茎頂に花房が着生せず開花後も茎が伸び続ける無限伸育型ダイズなど多様性に富むダイズの草型について各々の特性を明らかにすることに取り組んでいる。
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●ダイズの大粒化に関する研究
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わが国では大豆、特に黒豆は大粒であるほど商品価値が高い。品種特性として豆の粒大はほぼ決まっているが、栽培方法や開花期以後の処理により粒の大きさが影響を受けることから大粒化する条件を検討している。
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●ダイズ在来品種の特性解析
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農業においても大量流通のための大量生産により放棄されつつある在来品種の保存と積極的な利用を目標としている。三重県のダイズ在来品種「美里在来」や「鶏頭大豆」だけでなく、各地の在来品種の生育特性を明らかにし、データベースの構築を目指している。大豆100粒運動の主要テーマのひとつでもある。
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●宇宙ダイズの栽培・増殖
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スペースシャトルで運ばれ国際宇宙ステーションに10ヶ月間滞在したダイズ種子の栽培、後代種子の増殖を行い、宇宙滞在による形質変化の有無を観察するとともに、子供たちに改めてダイズの栽培に興味をもってもらえるように情報発信を行い、研究を推進している。
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●イセイモの新栽培技術の開発
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三重県多気町の協力により細分割増殖法という画期的な方法でイセイモにおける種いも生産の効率化を実現した。この栽培法では慣行法による種いも生産の約2倍の効率が確認されている。生産現場への普及に向け、省力化技術の付加を目指している。
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●イセイモの優良系統の選抜
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三重県多気町の協力により、2007年からイセイモの優良系統の選抜に取り組んでいる。2011年末までの結果から有望な3系統が作出されている。今後、これらの優良系統を増殖して順次生産農家に配布していく予定である。
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※研究の遂行上、種苗の分譲は行えませんのでご了承ください。
ダイズの草型(矮性系統)
左から正常型、矮性型(ヒュウガ矮性系統)、矮性型(矢作矮性)、超矮性型。超矮性型は交配・選抜により作出したオリジナル系統。ものさしは50cm。
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論文等
●ダイズ品種「美里在来」の子実生産,乾物生産および受光体勢, 日本作物学会紀事80:326-332(2011)
●イセイモの種いも生産新技術について, 東海作物研究139:5(2009)
●Pod dehiscence in relation to pod position and moisture content in soybean, Plant Production Science 11 :278-282(2008)
●丹波ヤマノイモの効率的な種イモ生産のための栽培条件, 日本作物学会紀事69:476-480(2000)
●早期水稲の生育に及ぼす新聞古紙マルチの効果, 日本作物学会紀事67:143-148(1998)
応用分野
●農業 ●食品生産
●まちおこし
主な保有技術
●ダイズの栽培技術 ●ダイズの選抜・育種技術
●イセイモの細分割増殖法 ●水稲の環境保全型栽培技術
社会活動
●ダイズ100粒運動を支える会顧問 ●多気町まちづくり仕掛人塾プロデューサー
受賞
●日本作物学会研究奨励賞(1993)
特許
●酒米品種「弓形穂」(品種登録2010)
所属学会
●日本作物学会 ●日本熱帯農業学会
●日本環境学会 ●日本生物環境工学会
関連ホームページ