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広報誌等

久保 雅敬 准教授

工学研究科 分子素材工学専攻

[高分子設計化学研究室]未来材料としての有機/無機ハイブリッド発光体

久保 雅敬 准教授

次世代の薄型テレビとして、有機ELディスプレイが注目を集めていますが、今市場に出ているものは、低分子の有機ELで、大パネル化が困難という問題があります。一方、高分子系の有機EL材料は、塗布が可能で大画面化が容易になります。ただ、水・酸素に弱く寿命が短いという欠点もあります。

今、私は有機発光高分子とシリカとのハイブリッド化について研究しています。ガラスの中に、光るポリマーを混ぜ込むことで、ガラス自体を発光させるのです。ガラスを製造する際に、高温で燃えてしまうという問題も液体から製造するという技術で克服しました。また、ガラスと結合性の良くなる高分子を作ることで、均一に混合できるようになりました。これらの技術により、劣化しにくく、また、様々な成型が可能となったのです。例えば、繊維状、薄いガラスにコーティング、シート状で曲げられるディスプレイなどの加工が実現します。

現在、大手自動車メーカーや電気メーカーなど、多くの企業から問い合わせを頂いています。今後この技術が、どのように育っていくのか、私自身非常に楽しみなのです。