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広報誌等

工学研究科 物理工学専攻

野呂 雄一 准教授

[ナノセンシング研究室]音(振動)測定の産業利用

野呂 雄一 准教授

プリンター動作音の「快音化」に注目した音作りを京セラミタと共同で研究しています。

電化製品の機械音を小さくすること(静音化)は、既に限界のレベルまで来ているといえます。そのため、音の質を不快には感じない音に変化させること(快音化)が求められています。音は「騒音レベル」という物理的尺度に加えて、「ラウドネス」「シャープネス」「ラフネス」などの心理的尺度でも評価されます。どういった音の調節で、より快音に感じられるのかといった試聴実験を行っています。 

また、医学部と連携し、皮膚炎症状の測定システムを研究開発してきました。これは、アトピー性皮膚炎の患者に治療薬が本当に効いているか調べるため、皮膚を掻く回数を測定できないだろうか、という観点から始めたものです。マウス用の痒み定量化システムは、皮膚を掻く音の回数を測定する方法で痒みの定量化を実現しました。

一方、ヒトは、睡眠中であってもプライベートな問題で撮影・録音は困難です。そこで、指先にセンサーをつけ、掻いている振動(固体伝播音)を記録することにしました。これにより、ヒトの睡眠中の掻破行動量の測定が可能となったのです。