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広報誌等

原 宏 教授

三重大学大学院 生物資源学研究科
資源循環学専攻 物質循環学講座

【専門分野、研究テーマ】
作物学・熱帯農学( 植物生態生理)

【研究テーマ】
サゴヤシなど有用植物の資源化、環境ストレス抵抗性機構の解明、温暖化・資源枯渇対策

厳しい環境での調査・研究には強靭な体と情熱が必要です


江原 宏 教授

Hiroshi Ehara's DATA FILE

年齢:45 歳
出身地:埼玉県(小川町:「和紙の里」として知られる)
平均睡眠時間:6 時間半
平均起床時間:6 時半
趣味:テニス、三線
好きな食べ物:茄子料理
嫌いな食べ物:とろろ
三重県の中で好きな場所:朝熊山
座右の銘:一念天に通ず
好きな本:「深夜特急」(沢木耕太郎)、「沈まぬ太陽」(山崎豊子)
好きな映画:「ウェールズの山」(The Englishman Who Went Up a Hill But Come Down a Mountain)、「レイダース/失われたアーク〈聖櫃〉」(Raiders of the Lost Ark)
尊敬する人:小合龍夫( 大学院時代の恩師)

学生時代の思い出を聞かせてください

埼玉県の自然豊かな山間部、秩父連山のふもとで幼少時代を過ごしました。テニスが好きで昔からずっと続けています。ただ、大学時代はテニス部ではなくジャズ研のビックバンドでピアノを担当していました。コンテストに出たり、ナイトクラブで演奏したこともあります。その頃の仲間には、プロのミュージシャンになった者もいます。

進学先に日本大学農獣医学部を選ばれた理由は何ですか

将来、国際的なフィールドで活躍したいという目標をもっていました。熱帯植物や環境保全の研究教育が活発で、国際的な分野の活動を行うことが出来るということでこちらを選びました。 その頃、恩師に言われて印象に残っているのが、「10 年ひとつのことに取り組め」という言葉です。やはり、ひとつのことを粘り強く続けていくことで、大きな成果を挙げることができます。私の行っているサゴヤシの研究も、長年続けてやっと成果が表れてきたと言えます。今、その言葉の重みを実感しますね。

熱帯雨林地帯など厳しい環境で調査・研究を行う上で、必要なことは何でしょう。

道なき道を進んで行かなくてはならないので、何と言っても強靭な体と情熱ですね。例えば、南太平洋の孤島に船で向かったのはいいけれど、島に船が寄せられずに海に飛び込んで泳いで上陸とか、一日中激流をカヌーで漕ぎ続けたりなんていうこともあります。チームメンバー皆、マイライフジャケットを持って出かけていますよ。あとは現地の方々とのコミュニケーション能力かな、協調性というか。

21世紀の環境保全型植物といわれるサゴヤシの優れている点を教えてください

エネルギー資源の問題は、今後益々重要な課題になっていきますが、食料として広く利用されている植物をエネルギーの生産に回すと、食料の高騰などの問題を招きます。サゴヤシは、海水が混じる水でも育ち、作物栽培が困難なやせた土地や湿地にも適応します。何より一本で300kg のでん粉、日本人なら5 人で1年間に消費する米に相当するほどの収穫が得られます。気象変動の影響を受け難いこと、一度植え付けると半永久的に収穫できることも特徴です。病気や虫の害もなく、農薬を必要としないので生態系にも人にも安全です。また、二酸化炭素の吸収量は多く、温暖化防止にも貢献すると考えられています。食品としては勿論、エタノール原料や、生分解性プラスチックにも利用可能なサゴヤシを実用化し、広く役立てることが、今の私の夢であり目標ですね。

今の学生を見て思われることはありますか

自ら進んで語学を身につけようとしたり、TOEIC のスコアアップを目指したりなど、キャリアアップに励むところはしっかりしているなと思いますね。ただ、準備に時間をかけて慎重になる傾向もみられるので、冒険心を持って少し無理をしてでも思い切ってやって欲しいなと思うこともあります。どんどん世界へ出て行って国際的に活躍して欲しい。そのための舞台を用意するのも、私の重要な仕事だと思っています。