生物資源学研究科
[生態循環学研究室/附帯施設農場]新規デンプン植物「サゴヤシ」の資源化と利活用
化石エネルギー枯渇に対する世界的な危機感が高まる中、再生産可能資源であるバイオマスエネルギーに大きな期待が寄せられています。 しかし、現在食料として広く利用されている植物をエネルギーに回すと、食料高騰など深刻な問題を引き起こします。 その点、サゴヤシは東南アジアを中心に約200万haに自生、世界では年間数万トンしか活用されていません。何より、耐塩性があり、1本のサゴヤシからは5人が1年間に消費するコメと同じ量のでんぷんができます。でんぷんは、エタノールに加工でき、バイオ燃料やプラスティック原料になります。サゴヤシからのエタノール生産技術については、かなり効率的な生産技術が確立されつつあります。 今後は、いかに多くの原料を安定して供給できるかということが課題となります。 三重大学ではサゴヤシの資源化からその利活用まで、いわば入口から出口までまかなえる研究を行っています。これまでの基盤研究を踏まえ、今後はこの技術を産学官と地域で連携して、どのように発展させていくのか、今まさにそれを検討している非常に重要な局面にあります。 |