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2012年更新
カテゴリ
バイオテクノロジー、農林水産(含食品)
キーワード
カンキツ 亜熱帯果樹 植物ホルモン

一言アピール

隙間を科学することで視野を広げます。


研究テーマ

  1. ●高品質なカンキツ果実生産のための水管理技術開発
  2.  三重県南部地域はカンキツ産地として有名ですが、果実消費の低迷をうけ出荷額が低下傾向にあります。近年はシートマルチ栽培を積極的に導入し、品質の向上に努めるとともにブランド化をすすめ、他産地のブランドと競うようになってきました。しかしながら、マルチ栽培にはリスクもあり、過度な乾燥(水分ストレス)は樹をいためてしまうことになります。樹勢を維持しつつ、高い品質の果実を生産するためには合理的で的確な水管理が求められます。その前提には、樹体の乾燥程度を簡易に、圃場レベルで評価する技術が必要でした。我々は、樹体の水分ストレスの評価手法として土壌水分測定に利用されているTDR法を適用することでウンシュウミカン樹の樹体含水率の変化を的確に把握できることを報告しました。現在、TDR法を基礎指標にした樹勢維持と高品質を両立させる合理的な水管理技術の開発に取り組んでいます。
  3. ●亜熱帯果樹の温帯域での栽培技術の開発
  4.  近年、マンゴーに代表されるように熱帯や亜熱帯原産の果物が出回るようになっています。この背景には既存果物の消費が低迷する一方、高級感のある目新しい商材がもてはやされる消費特性があります。また、熱帯・亜熱帯原産の果樹を温帯で栽培することによる品質の向上や着花の安定等のように生産者側にも有利性が見出されたこともブームの一因にありそうです。三重県においても県の試験研究機関においてアテモヤが試作され十分に経済栽培できることがわかってきました。研究室ではパッションフルーツやアテモヤなどの亜熱帯果樹の温帯域での栽培特性を明らかにし、一歩先をいく技術の開発に取り組んでいます。

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論文

●ウンシュウミカンのマルチ栽培圃場における果実硬度を利用した新規水ストレス診断器具の開発.農業情報研究20(3):102-1 (2011)
● ウンシュウミカンにおける相対値を用いたTDR枝内水分測定法による水分状態の把握,園芸学会雑誌.9(4):433-439 (2010)
●三重県紀南地域におけるウンシュウミカンのキク形状を呈するキク果の発生状況,三重大学紀要.36:25-30 (2010)             
●異なる栽培管理方法で生産されたウンシュウミカンの嗜好性. 園芸学研究7(1):129-133 (2008)
●水管理の異なるウンシュウミカン樹のTDR法による枝体積含水率の変化. 園芸学研究6(4):529-533 (2007)
●Emission of N2O and CO2 and Uptake of CH4 in Soil from a Satsuma Mandarin Orchard under Mulching Cultivation in Central Japan.J. Japanese Soc. Horticultural. Sci.76(4):279-287 (2007)

応用分野

●植物生理学                       ●植物の栽培一般

審査委員など

●園芸学研究編集委員(平成18.9~21.9)

関連ホームページ

研究資料