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2012年更新
カテゴリ
環境・エネルギー、農林水産(含食品)
キーワード
海藻 コンブ 光合成 生態 生理

一言アピール

SCUBA潜水による野外調査から、光合成や培養による生理的実験まで行っています。


研究テーマ

  1. コンブ目藻類の生長・成熟に対する環境要因の影響
  2.  暖海性コンブ目のワカメ類やアラメ・カジメ類の海藻を対象として、温度や光量などが生長・成熟に与える影響を研究している。いずれの種でも高温域での反応は厳密であり、生育上限温度を1℃温度超えるだけで枯死することがわかった。また、ワカメ属では、暖海域にのみ生育するヒロメが14℃以下で枯死すること、深所に生育するアオワカメは紫外線耐性が低いことが明らかとなった。アラメ・カジメ類の一年生のアントクメは本邦で最も低緯度に生育しているコンブ類である。しかし、その胞子体(巨視的な世代)は夏に消失して、配偶体(微視的な世代)で越夏するため胞子体の生育上限温度は多年生の種よりも低いことが明らかとなった。
  3. 植物生長調節剤を用いたコンブ目藻類の生長と成熟の制御
  4.  陸上植物の生長や成熟を制御する 植物生長調節剤(植物ホルモンなど)の一部は、大型藻類に対しても作用を持つことが明らかにされてきている。しかし、コンブ類などの大型藻類の増養殖にこれらの物質を応用した例はない。そこで、ジベレリンなどの植物ホルモンを用いたサガラメやカジメなどコンブ類の配偶体の成熟と生長の制御を研究している。これまでに、サガラメやカジメの配偶体の卵形成はジベレリンで促進され、ステビオサイドが抑制されることが明らかになった。
  5. 海藻植生調査と磯焼け海域における藻場の回復
  6.  尾鷲市周辺のほか南三陸町や伊豆半島など藻場の調査を行っている。尾鷲市の磯焼け海域においては植生調査を行うと同時に、地元の漁協と協力して、磯焼け持続の要因と考えられるウニ(ガンガゼ)の除去作業を行い、藻場の回復を試みている(写真)。尾鷲市早田浦の磯焼け海域においては、ガンガゼ密度を2個体/m2以下にすると海藻の被度が増加することがわかった。また、南三陸町においては、東日本大震災の津波後にアラメの被度が減少していることが明らかになった。

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特許

●特許3857301 はばのりの養殖

応用分野

●環境アセスメント                    ●水産養殖業

主な保有機器・装置

●光合成測定装置                     ●培養装置
●潜水器具

所属学会

●日本藻類学会                      ●日本水産学会
●日本植物学会

主な保有技術

●藻類の培養:大型藻類を培養し,生長速度,成熟率などを測定する
●潜水調査:SCUBA潜水により,大形藻類の植生調査や生産力測定を行う
●藻類の光合成測定:差働式検容計により,大形藻類の光合成,呼吸速度を測定する

調査

●尾鷲市内の磯焼け海域の調査               ●全国の藻場の植生調査

社会活動

●環境省モニタリングサイト1000 藻場分科会検討委員
●環境省希少野生動植物種保存推進員

著書

●藻類ハンドブック 2.4.2.8 アラメ,カジメ類(2012)
●磯焼け対策シリーズ3 藻場を見守り育てる知恵と技術 5.3アラメ・カジメ海中林の生産力(2010)

関連ホームページ