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2012年更新
カテゴリ
環境・エネルギー
キーワード
土壌圏 水分移動 溶質移動 熱移動 シミュレーション 不飽和透水係数 窒素循環 炭素循環 土壌汚染 塩類集積 粘土

一言アピール

土中の水分・塩分・熱移動解析プログラムHYDRUS(1、2、3次元)の共同開発と普及に取り組んでいます。


研究テーマ

  1. 水分不飽和土中の水分・化学物質・熱移動のモデル化とシミュレーション
  2.  過剰肥料成分や農薬などの化学物質による地下水や土の汚染の実態解明には、地表面から地下水帯までの水分不飽和土中の物質移動、とりわけ水分移動の予測が必要である。不飽和土中の物質移動は、水分、溶解した化学物質(溶質)、熱が相互に依存しながら移動する複雑な現象であるため、個々の要素の適切なモデル化に加えて、統合的なシミュレーションによる検証が必要である。土壌圏循環学研究室では、世界で最も広く用いられている土中の水分・溶質・熱移動予測汎用プログラムHYDRUSの開発の共同研究に加わりながら、実測データの解析、モデルの検証に取り組んでいる。
  3. 土中の水分・溶質・熱移動特性の測定
  4.  シミュレーションの精度向上には、土の水分・溶質・熱移動特性の測定精度の向上が不可欠である。そこで、水分保持曲線、不飽和透水係数、不飽和土の溶質移動、熱移動特性の測定に取り組んでいる。比較的水分量の少ない状態での水分保持曲線を正確に把握することにより、不飽和透水係数の推定精度を上げることに成功した。
  5. 土中の水分・窒素・炭素統合循環モデルの構築
  6.  土中に投入された有機物は、微生物活動により分解し、その過程で炭素と窒素が土中を循環する。その際、それぞれの物質の炭素と窒素の比であるC/N 比に依存して有機態窒素の無機化と無機態窒素の有機化が生じる。そのため、炭素循環と窒素循環の相互依存する関係の適切なモデル化が必要である。そこで、有機物分解過程の窒素と炭素の循環モデルを提案し、さらに土中の水分・溶質移動シミュレーションプログラムHYDRUSと結合することにより土中の水分・窒素・炭素統合循環モデルの構築を行っている。
  7. 黒ボク土中の水分・溶質移動について
  8.  我が国に広く分布する火山灰土である黒ボク土は、間隙が大きく、団粒構造を持つことが知られている。そこで、日本各地の黒ボク土を対象に、不飽和水分移動、溶質移動の室内実験によるモニタリング、モデルによる解析に取り組んでいる。
  9. 土中の水分量および塩分濃度測定手法の改良

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応用分野

●灌漑・排水分野                     ●土壌汚染関連

所属学会

●農業農村工学会                     ●Soil Science Society of America
●American Geophysical Union              ●土壌物理学会
●日本土壌肥料学会                    ●水文・水資源学会
●地盤工学会

審査委員など

●Vadoze zone journal編集委員              ●土壌物理学会評議委員

著書

●土壌物理学 ~土中の水・熱・ガス・化学物質移動の基礎と応用(ウィリアム・ジュリー,ロバート・ホートン著,
 取出伸夫 監訳, 井上光弘・長裕幸・西村拓・諸泉利嗣・渡辺晋生訳), 築地書館, 2006年

主な保有技術

●土中の水分・化学成分・熱移動のシミュレーション
●土の水分・溶質移動特性の測定

関連ホームページ