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2012年更新
カテゴリ
医学・薬学
キーワード
血液 悪性リンパ腫 疾患単位 WHO分類 CD5 CD19 CD21 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 NK/T細胞リンパ腫 gamma/delta T細胞リンパ腫 臨床試験 RT-DeVIC療法 SMILE療法 PEARL5試験

一言アピール

悪性リンパ腫の診断技術と治療成績の向上につながる研究にご協力いたします。


研究テーマ

  1. 悪性リンパ腫の病態解明に関する研究
  2.  最新の分類で60を超える病型の集合体であることがわかっている悪性リンパ腫を対象とし、過去25年、1,000例以上での表面マーカー解析データをもとに、個々の患者さんにおけるリンパ腫の違いを明らかにする研究を行っています。これまで、最も頻度の高いリンパ腫病型であるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の腫瘍細胞におけるCD5, CD19, CD21各抗原発現と病態、予後の関連に関する研究、稀なT/NK細胞リンパ腫 (NK/T細胞リンパ腫、gamma/delta T細胞リンパ腫)の病態解明などに関する研究を行ってきました。特に、CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に関しては計3回の全国多施設共同研究を行い、独自の疾患であることを明らかにしました。このリンパ腫は、最新の分類である2008年版WHO分類に、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の特殊なサブタイプとして収載されています。
  3. 難治性リンパ腫に対する有効な新規治療法の開発
  4.  リンパ腫の病態解明に関する研究の結果、治りにくく治療が難しいリンパ腫 (難治性リンパ腫)と判明した病型を対象に、既存の治療法、あるいは治療薬の組み合わせを工夫することにより、臨床の現場ですぐに行うことができる有効な新しい治療法を開発する研究を行っています。NK/T細胞リンパ腫に関しては、鼻咽頭に限局した患者さんを対象とした、放射線治療・化学療法同時併用療法であるRT-2/3DeVIC療法を国内多施設共同研究で開発しました。また、病変が全身に広がっている、あるいは初回治療後に再発した、もしくは効果が十分でない患者さんに関しては、SMILE療法という新しい化学療法を開発する東アジア多国間共同研究に事務局として参加しました。これら2つの治療法は、米国での代表的ながん診療ガイドラインの一つであるNCCNガイドラインに掲載されています。現在は、初発II期以上のCD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者さんを対象に、三重大学病院での検討から良好な効果が期待されている治療法の国内多施設共同研究 (PEARL5試験)を行っています。

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主な保有技術

●凍結切片を用いた免疫組織化学によるリンパ腫の細胞表面抗原解析

著書

●造血器腫瘍取扱い規約第1版 (2010) 共同執筆
●今日の治療指針2009年版 (2009) 分担執筆
●悪性リンパ腫治療マニュアル改訂第3版 (2009) 分担執筆

所属学会

●日本内科学会                      ●日本血液学会
●日本リンパ網内系学会                  ●日本癌学会
●米国血液学会                      ●日本頭頸部癌学会
●日本臨床腫瘍学会                    ●米国臨床腫瘍学会

社会活動

●WHO分類(2008) リンパ系腫瘍 臨床諮問委員会(CAC) 委員
●JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ) 効果・安全性評価委員会委員
●NK腫瘍研究会(NK-Cell Tumor Study Group; NKTSG)幹事 
●NPOグループ・ネクサス(悪性リンパ腫患者・家族連絡会)顧問

調査

●CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫第三次国内多施設共同研究 (2008-2009)
●CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫第二次国内多施設共同研究 (2002, 2007)
●CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫第一次国内多施設共同研究 (2000-2001)

講演実績

●T-cell lymphoma forum, San Francisco, CA, USA, 2011年1月
●T-cell lymphoma forum, Maui, HI, USA, 2010年1月
●WHO Lymphoid CAC meeting, Airlie Center, VA, USA, 2007年3月

応用分野

●医療分野

論文

●Yamaguchi M, et al. Phase II study of SMILE chemotherapy for newly diagnosed stage IV, relapsed, or refractory extranodal natural killer (NK)/T-cell lymphoma, nasal type: the NK-Cell Tumor Study Group study. J Clin Oncol 29: 4410-6, 2011
●Miyazaki K, Yamaguchi M, et al. CD5-positive diffuse large B-cell lymphoma: a retrospective study in 337 patients treated by chemotherapy with or without rituximab. Ann Oncol 22: 1601-7, 2011
●Yamaguchi M, et al. Phase I/II study of concurrent chemoradiotherapy for localized nasal NK/T-cell lymphoma: Japan Clinical Oncology Group Study JCOG0211. J Clin Oncol 27: 5594–600, 2009
●Miyazaki K, Yamaguchi M, et al. Gene expression profiling of peripheral T-cell lymphoma including gamma/delta T-cell lymphoma. Blood 113:1071-4, 2009
●Yamaguchi M, et al. De novo CD5+ diffuse large B-cell lymphoma: Results of a detailed clinicopathological review in 120 patients. Haematologica 93:1195-202, 2008
●Yamaguchi M, et al. De novo CD5+ diffuse large B-cell lymphoma: a clinicopathologic study of 109 patients. Blood 99:815-21, 2002

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