一言アピール

がんの薬物療法の分野で、標準的治療の実践と新しい治療の開発を目標としています。特に、化学療法に伴う副作用対策にも積極的に取り組んでいます。

研究テーマ

●化学療法の副作用対策
　最も注意が必要なものが発熱性好中球減少症である。対策が不十分であると重篤な感染症を発症し、稀に死亡例も報告されている。発熱性好中球減少症の初期治療においては、重症化のリスクが高いか否かの判断が重要である。従来のリスク評価法は実地での使用にはいくつか問題点があったので、当科では外来治療などでも使用しやすいように簡略化したリスク評価法(図1)を採用して管理を行っている。
●癌の骨転移における予後・予測因子の検討 詳細資料
　固形癌の骨転移は、肺癌・乳癌など多くの癌種で認められる。骨転移は骨折や疼痛などの重大な合併症の原因となるため、治療中の適切な管理は重要である。我々の施設では、骨転移を伴うケースを対象として、治療中に認められる様々な反応(ALP flare、NTx等)から、骨転移例での予後・予測因子の解析を行っている。最近、多発性骨髄腫で注目されているALP flareは、我々の検討からは、これまで報告されていなかった胃癌など他の癌種においても予後・予測因子となる可能性がある。当科では、他のバイオマーカー(NTxなど骨吸収マーカー)も併用して、骨転移例をより適切に管理できるシステムの構築を目指している。

重症化のリスク評価法:簡略化したscoring index

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応用分野

●製薬関連分野

所属学会

●日本臨床腫瘍学界　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●日本乳癌学会
●日本癌治療学会　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●日本内科学会
●European Society for Medical Oncology

論文

●Sawaki M, Mizuno T et al.Safety of adjuvant trastuzumab for HER-2-overexpressing elderly breast cancer patients: a multicenter cohort study. Breast Cancer. 2011 Apr 28
●Nomura H, Wada H, Mizuno T　et al. Elevated fibrin-related markers in patients with malignant diseases suspected of having thrombotic disorders. Clin Appl Thromb Hemost. 2010 Jun; 16(3):266-72. Epub 2009 Jul 31.
●T. Mizuno et al.The outpatient management of low-risk febrile patients with neutropenia: risk assessment over the telephone. Supportive Care in Cancer. 15(3):287-91. 2007
●Akira Inoue, Toshiro Mizuno et al. Randomized study of dexamethasone treatment for delayed emesis, anorexia and fatigue induced by irinotecan. Supportive care in cancer 11:528-532, 2003

著書

●｢発熱性好中球減少症:乳癌の臨床Vol.27(3):291-297.2012
●｢抗がん剤の副作用と支持療法:口内炎｣腫瘍内科vol.5(3):240-243.2010
●｢化学療法に伴う心毒性の管理｣乳癌の臨床vol.21(1):24-30. 2006
●｢コンセンサス抗癌剤の副作用と対策:浮腫｣コンセンサス癌治療５(４):200-201.2006
●｢抗がん剤の副作用と対策:化学療法による悪心・嘔吐の管理｣医学のあゆみvol.215(5):469-473. 2005

その他社会活動

●2012年～　｢乳癌の臨床｣査読委員
●2011年～　Japanese Journal of Clinical Oncology(JJCO)Reviewer Board
●2008～2009年　三重県がん対策推進協議会三重県がん対策戦略プラン策定検討部会委員
●2002～2009年　日本乳癌学会｢診療ガイドライン作成小委員会｣薬物療法委員

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