海洋動態を予測するには、その系で起きているメカニズムを正しく理解しなくてはなりません。化学成分の海中分布はそれらを反映するので、そこで起きている各種過程の構造や速度に関する情報を得ることができます。
研究テーマ
- ●海洋における物質除去過程の研究
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海洋に一度入ってきた物質は全て必ずいつかまた系内から除かれます。その速度(平均滞留時間という)は海洋内で起きている諸過程とその成分の特性によって決まりますが、それらの時間を把握しておくことは海洋変動予測に役立ちます。
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●海洋における栄養塩、トリウム-234等の生物生産パラメーターの分布に関して
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表層から深海へどのくらいの炭素量が輸送されるのかを調べることは、地球温暖化の予測をする上でも重要なことです。トリウム-234の生物生産パラメータはその情報を見積る上で大変有効な手法の一つです。
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●亜熱帯貧栄養海域における一次生産速度に関わる研究
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地球上の全有機物生産の約半分は、海洋の植物プランクトンが担っていると言われています。特に海洋では植物プランクトンの光合成による一次生産速度は系内の物質循環に大きく関与しており、面積的に広大な貧栄養海域の生物生産性の影響を正しく認識しておくことが必要である。
FRRF(高速フラッシュ励起蛍光光度計)による海洋の一次生産速度の測定
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所属学会
●日本海洋学会 ●日本地球化学会
●American Geophysical Union
主な保有機器・装置
●PERALS(Photon Electron Rejecting Alpha Liquid Scintillation)スペクトロメーター
●オートアナライザーTRAACS 800
関連ホームページ