利益相反そのものは、「悪いこと」ではありません。しかし、外観上、「悪いことをしているのでは?」と疑念をもたれてしまうことは、教育機関としての大学へのIntegrity(社会的な信頼や尊厳)の弊害となってしまいます。疑念の背景には、具体的な経済的利益を生み出す連携活動と、大学に所属する教職員に果された義務、及び大学の利益とが「相反」していることにあります。
ここに、いくつかの「疑念をもたれる例」を上げておきます。利益相反マネジメントは、連携活動を通じて組織の外部、また、内部の関係者の間からも生じてくる疑念に対し、適切に説明し、理解を獲得していくための仕組みでもあります。
・経済的利益の獲得のために研究テーマを決めているのではないか?
・本来の研究活動をないがしろにして、企業のコンサルティング活動などを優先しているのではないか?
・研究テーマを共同研究先の利益も結びつける方向に誘導しているのではないか?
・研究成果の公表を疎外し、学術研究の進展を妨げているのではないか?
・研究成果を私的な利益を生み出す方向に導いているのではないか?
・研究所は、経済的利益の獲得ばかりを考えているのではないか?
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