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事例1 未公開企業への出資
 

○共同研究契約先(未公開企業)から出資の要請がありました。どのような点に注意すればよいのか教えてください。


キーワード: 株式、未公開企業、産学官連携活動、利害関係者

解説

 個人による株式投資自体は、問題となる行為ではありません。しかし、未公開企業の時に出資を行い株式を保有した後、その企業の株式公開が実現した場合を考えてみましょう。株式公開時には、出資額より株価が高くなるケースも多く、その結果、多額なキャピタルゲイン(株式売却益)獲得の可能性があります。未公開企業への出資には、事業が失敗に終わり、損失を被るリスクもある反面、「成功報酬」の側面も強くあります。このため、教職員が出資している企業と産学官連携活動(共同・受託研究、技術移転、寄附金等受入、ベンチャー企業経営、コンサルティング活動等の兼業等)を行っている場合、外部から「企業に対するなんらかの便宜を図っているのではないか?」と見られてしまう可能性が生じてきます。
 

気をつけよう

・出資先は、利害関係者にあたりませんか?

・大学の立場を用いて特別な便宜を提供していませんか? 出資先企業と出資者の利益は一致した状況にありますから、外部からの嫌疑を生まないような注意が必要です。

・「出資時の株価は正当である」とみなすことができますか?

・出資先企業に対して、研究テーマに関する情報提供を個別に行う際に、兼業承認(技術指導など)、研究成果物移転契約の締結、共同研究契約の締結などの必要な手続きを取っていますか?

・出資先企業との産学官連携活動を重視するあまり、授業や学生の指導等他の責務を疎かにしてはいませんか?


関連用語の説明
<株式> 
 株式とは、株式会社の株主としての地位をいい、一般的には株券そのものを指して呼ばれることもあります。株式は原則として自由に売買することができ、株主には会社から配当などの経済的利益を受ける権利(自益権)や株主総会への参加を通じて会社の経営に参加する権利(共益権)が認められます。

<未公開株> 
 証券市場に上場されている企業の株式を公開株といい、証券会社を通じて自由に売買ができます。一方、上場されていない企業の株式を未公開株といい、通常の場合、一般投資家には売買の手段が限られています。利益や売上高など証券取引所ごとの基準を満たし、会社が上場を果たすと、その株価は取得時の数十倍になる場合も珍しくありません。

<利害関係者>
 利害関係者とは、教職員が職務として携わる、売買、賃借、請負その他の契約に関する事務に応じ、これらの契約を締結している事業者等及びこれらの契約の申込みをしている事業者等、並びにこれらの契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等をいいます。