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事例3 技術指導/評価
 

○ある企業から新製品開発の技術指導依頼がありました。注意しなければならない点について教えてください。また、外部公表のための技術評価を頼まれる可能性もあります。


キーワード: 技術指導(コンサルティング)、技術評価、専門性、公正不偏の立場、経済的利益

解説

 技術指導(コンサルティング)は、産学官連携の基本となる活動のひとつです。共同研究等の契約の範囲内でのコンサルティング活動は、特に問題となりません。しかし、技術指導は、相手先企業に大きく貢献することになります。特に、相手先と個人的な経済関係があった場合、技術指導(コンサルティング)活動を通じて、「特別な便宜が図られているのではないか?」といった疑念を生じかねません。また、大学への適切な報告なしに、産学官連携活動の相手先企業に対する技術指導(コンサルティング)を行い報酬等を得ていた場合、大学における責任遂行との兼ね合いによっては、「個人的利益を優先している」との推察を招き、誤解を生む恐れもあります。
 技術評価には様々な手法や視点があります。大学の教職員には、高度な専門性に基づく分析視点や評価とともに、公正不偏の立場からの意見が期待されています。評価内容が公表された場合には、社会に対する大きな影響も与えることにもなります。
 相手先企業と個人的な経済的利益関係があり、加えて、その事実が適切に開示されていないと、「教職員等が個人の利益を優先し、大学への責務を果していないのではないか?」との疑念も生じかねません。その結果、評価内容そのものの信頼性をも疑われる恐れがあるのです。


気をつけよう

・個人的な利害関係はありますか? 技術指導/技術評価の依頼先と利害関係がある場合、評価方法や内容で便宜を図っていると見られる可能性があります。

・技術指導/技術評価の報酬は、業務時間や内容、責務に見合う妥当な額となっていますか?

・技術指導/技術評価活動を行うことで、授業や学生の指導等他の責務が疎かになってはいませんか?

・依頼先が有する技術上・営業上の秘密情報について、漏洩の防止手段を十分に行っていますか?

・秘密情報の漏洩を疑われるような行動は慎んでいますか? 例えば、「他の産学官連携活動を、共同研究先のライバル企業と行うこと」などは、契約上問題がないか注意が必要です。

・技術指導活動を重視してしまい、特許出願前の研究成果等について十分な対応/検討することなく、外部に流出していませんか?

・報酬について、適切な税務処理を行っていますか?