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事例5 学生、院生、ポスドクなどの派遣
 

○共同研究を行っている企業への学生派遣は可能なのでしょうか? また、本人が、企業に出向いて研究を行うことは可能でしょうか? 学内にあるインキュベーション施設に入居している企業に対する対応等などについても、留意点を教えて下さい。


キーワード: 共同研究、指揮命令系統、秘密漏洩、インキュベーション施設

解説

 学生にとって共同研究などへの参加は、社会との貴重な接点であり、関心も高く、研究意欲向上の観点からも有意義なものといえます。したがって、長期的な視点からも、産学官連携活動活性化の重要な要素といえます。 関与の度合いに留意し、大学に籍を置く学生の自由意思を尊重するとともに、相手先企業の指揮命令系統下におかれるような状況を生じさせてはなりません。また、経済的関係のある相手との共同研究等では、教職員が自己の経済的利益のために、教育という本来の目的を逸脱して、「学生を利用しているのではないか?」という疑念を抱かれてしまう可能性があります。教育指導の観点と共に、学生の教育を受ける権利の保障、学術研究内容における学生の選択の自由尊重が必要であり、加えて、外観の確保も重要となります。一方で、秘密情報の慎重な取扱い等への十分な意識徹底などを学生に指導することも、教職員等には求められています。学生の何気ない言動から、研究上の重要な秘密漏洩が生じてしまうと、教職員や大学だけでなく、学生本人にも甚大な影響を及ぼす危険性が潜んでいます。
 昨今は、発明の実用化推進のために、教職員の出資企業が、学内のインキュベーション施設等を利用して活動を行っているケースもあります。学内であるために、研究室のように誤解しがちですが、本質的には別の組織です。適切な外観を確保すると共に、学生の関与にあたっては、本人の意志を確認し、秘密漏洩に対する配慮の必要性の認識を促す指導も教職員の大切な役割です。また、教職員も、「特別な便宜を図っているのではないか?」との誤解を生じさせないためにも、研究室設備の利用や知的財産や情報の取扱いには、他の共同研究相手と同様な対応を心掛けなければなりません。
 

気をつけよう

・学生等を共同研究に従事させる場合、学生等本人の意思確認を含め、事前に十分な検討を行いましたか?

・派遣先における技術上・営業上の秘密情報の重要性及び漏洩を防止する手段について、学生等に適切な指導を行いましたか?

・学生等を共同研究先の指揮命令系統下に置いていませんか?

・インキュベーション施設にある企業についても、他の共同研究相手と同様な対応を心掛けていますか?

・学生が必要以上にインキュベーション施設内の企業との関わりをもつことはありませんか?


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